
私たちは今日、AI アプリケーションの社内運用を専門に支援するクラウドプラットフォームSquadbaseを正式に公開しました。
Streamlit や Next.js、LangChain、Mastra、Vercel AI SDK といった多彩なフレームワークで書いたコードを Git にプッシュするだけで、数分後には社内限定 URL でアプリが動き始める──その背後でユーザー認証や RBAC、監査ログ、利用分析が自動的に整う仕組みを用意しています。誰もが新時代の開発者として業務アプリを構築することができ、デプロイされたアプリはAIによって改善され続ける。それが Squadbase の核となる思想です。
なぜSquadbaseをつくるのか
私たちのチームの旅路は7年前に始まりました。私たちは機械学習・AIの領域で技術開発とアプリケーションへの組み込みを担うソフトウェアベンダーとして、多くの日本企業とプロジェクトを共にし、AIやデータ活用がビジネスに大きなインパクトを与える姿を見てきました。
2022 年、ChatGPT が現れたとき、私たちはビジネスソフトウェアのツーリングに革命が起きる音をはっきりと聞きました。誰もが自分の業務にぴたりと合った コードベースの AI アプリ を生み出せる時代が始まったのです。その中でも私たちはデータ活用に注目し、Morphというプロダクトを開発してきました。
Morphは、Pythonとマークダウンを用いてAIアプリを開発することができるフレームワークです。オープンソースのフレームワークと合わせて、ホスティングプラットフォームを開発してきました。その中で、Morphをデプロイするために開発した我々のクラウド基盤はMorph以外のフレームワークにとっても有用であることに気づきました。
アプリを作った後に残る課題、すなわち「安全に届け、継続的に改善する仕組み」は、どのフレームワークを用いても開発者の肩に重くのしかかります。そこで フレームワーク非依存で、AIアプリのデリバリー専用のクラウドが必要だ と確信したのです。
なぜ私たちは新しいクラウドプラットフォームが必要なのか
社内に AI 部門が生まれ、少人数の開発者が次々とアプリを量産する光景は珍しくなくなりました。それ自体は素晴らしい変化です — ただ、アプリが増えるほど運用のテーブルには問題が積み重なります。
紙に描けば一枚で済む構成図が、AWS や GCP のコンソールに展開されると 20 近いサービスに分裂し、デプロイのたびに操作手順書が増えていく。作るより“届ける”ほうが難しいのです。
まず セキュリティ。業務データやプライベート LLM へのアクセストークンを抱えたアプリは、ひとたびアクセス制御が甘ければ機密の流出につながります。
次に 保守コスト。CI/CD、ログ収集、利用分析、ユーザーフィードバック――これらを毎回バラバラに構築していては、プロジェクトが十本を超える頃には運用担当者が疲弊します。
そして 改善サイクルの停滞。せっかく実装したアプリも、実際の利用データが開発者に届かなければ成長の種を失います。
Squadbase は、この三重苦を解きほぐすためだけに生まれました。
Git へプッシュした瞬間にパイプラインが走り、デプロイが完了すると同時に認証と RBAC が有効化され、ダッシュボードには実行ログとユーザーの足跡が描かれます。フィードバック用のコメントボックスはアプリの片隅にそっと現れ、届いた声は開発チームの GitHub Issue へ流れ込みます。近い将来にはそのようにして収集されたIssueをAIが自動で修正することも可能でしょう。誰もがアイデアを持ち寄り理想的な業務アプリを作ることができ、オペレーションの重荷は舞台裏で Squadbase が担う — それが私たちの描いた風景です。
私たちが解決する課題
Squadbaseはこのような大変な仕事を肩代わりし、組織向けAIアプリのためのセキュアなインフラストラクチャを提供します。開発者はシンプルなフローでセキュリティ、ロールベースのアクセスコントロール、ログモニタリング、ユーザー分析、フィードバック収集などのベストプラクティスを実現することができます。
セキュリティとガバナンス
アプリのデプロイと同時にユーザー認証が有効になり、デフォルトでプライベート公開となります。プロジェクト単位のロール付与、TLS 1.2 通信も初期設定で完了します。
CI/CDとobservability
GitHub や GitLab と連携するとパイプラインが自動生成され、3分ほどでデプロイが完了します。実行ログとアクセスログはダッシュボードで検索・可視化できます。
ユーザー分析とフィードバック収集
アプリにはコメントボックスが自動で挿入され、利用状況の統計とともに開発チームへ集約されます。現場の声を起点にした改善サイクルを自然に回せるようになります。
フレームワーク非依存のデリバリー
Streamlit でも Next.js でも LangChain でも、squadbase.yml
か Dockerfile
を置けば同じ手順でデプロイが完了します。
将来の自律的最適化
収集したログを AI が解析し、プロンプトやリソース配分を自動提案する機能を 2025 年内に提供する計画です。
私たちのプラットフォームは、次世代の開発者体験を組織向けアプリ開発の現場にもたらします。
なぜ 今すぐ Squadbase が必要なのか
AIを業務に役立てるために人々は様々な手を尽くしています。AIソリューションの企画・開発・配備を専門的に担う ”AI部門” も増えてきています。具体的な実装手段として、ローコードやノーコードではカスタマイズ性に限界があり、StreamlitやNext.jsなどのAIアプリに適したフルスタックフレームワークの人気は伸び続けています。
コーディング特化のモデルは毎月、毎週のペースで進化し続けています。今後12ヶ月で、コーディングAIは目覚ましい進歩を遂げることでしょう。コーディングAIの進化によって、AIアプリの制作数は爆発するでしょう。それと共にデリバリープラットフォームの重要性は上がり続けます。だからこそ私たちは今から動き出さなければならないのです。
よくある質問
— VercelやAmplifyとどう違うの?
最も大きな差は“公開先”にあります。Squadbase は 社内利用を前提とし、SAML / OIDC 接続と詳細な RBAC をプラットフォームの核に据えています。パブリック向け配信が主眼の PaaS とは生まれた理由が異なります。
— セキュリティ証明は取得済み?
SOC 2 Type Iの監査証明を受けています。
— 無料で使える?
5つのアプリ、5人のチームメンバーまでは無料でご利用いただけます。有料プランの料金体系については、プライシングページをご覧ください。
— 既存アプリの移行は簡単ですか?
はい。squadbase.yml
か Dockerfile
を用意し、リポジトリを接続するだけです。専任サポートもご利用いただけます。詳しくはドキュメントをご覧ください。
今すぐ試すには?
GitHub アカウントを用意して squadbase.dev にアクセスしてください。最初のデプロイは 5 分もかかりません!